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山手震災痕めぐり

第7番札所

元町公園内の被災洋館跡

■貝殻坂通りをさらに進んで貝殻坂下に着いたら、元町公園プール管理事務所の前を通って向かいの階段を上り、左に折れてプールを見下ろす遊歩道を進みます。すると、右手に次の写真のようなブラフ積みが見られます。昔の地図から考えると山手 79 番地の遺構ではないかと思うのですが、このあたりは震災後にプールや弓道場などを造るために大きく手が入っているところなのではっきり確認できません。

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■震災直後にこのあたりを撮影した写真を「関東大震災直後のジェラール工場跡」に載せてありますが、それを拡大したのが次の写真です。画像の上にマウス・カーソルを置くと黄色の楕円で示されるあたりが 79 番地ではないかと思われます。79 番地の震災時の住人は、ボアクソ(Andre + Jeanne Boixo)というフランス人夫妻です。『横浜外国人墓地に眠る人々』(斎藤多喜夫著)によると 2 人とも無事だったというので、最初は右の方に写っている難を逃れた家が 79 番地かと考えたのですが、地形から無理があり、この家は 75 番地になるようです。

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■この写真を撮影地点と思われる現在の横浜地方気象台から、窓越しに同じようなアングルで写真を撮ることができました。ちょっと光が入って見えにくいですが、右側の窓の多い建物が 75 番地です。この写真から逆に推測すると、震災直後の写真の左上端にある大きな建物は、現在も大きなマンションがある 35 番地あたりになるのですが、さてどうなのでしょうか。

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■最初のブラフ積み擁壁に話を戻して、この道のさらに上段に山手 80 番館の震災遺構があります。こちらは見学しやすいように解説板や展望台付きできれいに整備されています。その写真を載せてもあまり意味がないので、冬期限定で姿を見せる 80 番館の崩壊したレンガ塊の写真で、第7番札所、山手 79、80 番の被災洋館跡を締めくくることにします。(2013/02 記)

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